新機軸に挑むGALAXYと、窮地からの復活に挑むXperia
先週まで、本業の仕事が修羅場であまり更新出来ていませんでしたが、ようやく一段落したのでボチボチ復活しようかと。
バルセロナのMWCを控えて、各社が続々と新しい端末の情報を出していますね。 そんな中でも注目されていたのが、SamsungのGALAXYシリーズ。
わざわざ、MWC開催の前にバルセロナではなく米国で敢えてSamsungのプライベートイベントである「UNPACKED」を大々的に開催して発表する力の入れよう。
Galaxy Unpacked 20.02.2019. Official Replay
やはり、一番インパクトあるのはかねてから噂のあった、折り畳み出来るスマホである「Galaxy Fold」
折り畳んだ状態で4.7インチ、広げた状態で7.3インチのAMOLEDモニタが使えるという。 折り畳みの可能なスマホと言えばかつてNECのMEDIAS WやZTEのMなどがあった。
これらは2つの液晶を使ってできる限り狭額縁でならべて、折り畳み時は山折りとなる作りだが、Galaxy Foldは根本的に作りが異なり1つの大画面自体が折り曲げられるようになっているので、継ぎ目がない。 また、谷折り(内側)に曲がるので、折り畳み時は画面が内側に隠れる。なので、折り畳み時に使用する画面は別途裏側に用意してある。
2画面でもパフォーマンスを出せるように、内蔵RAM 12GB、ストレージ512GBと非常にハイスペックな構成だがその分お値段もそれなりで、$1,980と日本円にすると20万円以上。
まぁ使っているテクノロジやスペックを考えるとこれでも安い位なのかもしれないけど、冷静に考えればこの金額ならノートPCですら結構良い性能の物が買えるし、何ならスマホとタブレットを1台ずつ買うよりも高い。
少なくとも現時点では「変態、色物端末」と見られても仕方が無いけど、最大シェアを持つSamsungがここまでチャレンジャブルな製品をリリースした意義は大きい。今後洗練が進めば折り畳みが当たり前、なんて時代も来るのかも。
一方でSamsungの大黒柱でもあるSシリーズは10周年でS10、S10+、S10eの3ラインナップを発表。 S8→S9が大きな変化は無かったけど、今回はフルモデルチェンジと言っても良い
最近は各社とも全画面ディスプレイとして画面の占有比率競争が激化しているけど、どうしても課題になるのが前面カメラの位置。 iPhone Xの様なノッチやOppo FindXの様なポップアップカメラなど様々な方法がとられているが、Samsungは敢えて他社の時流には乗らず、 「画面の中に前面カメラの穴を開ける」という独自の方式を取った。
確かに画面の中に唐突に円形(又は楕円形)にくりぬかれた部分が有り、そこにカメラが置かれている。 技術的には面白いけど、正直画面内に異物がある感は否めない。個人的には、自撮りなんて全くしないので「前面カメラ無し」というモデルも合っても良いんじゃ無いかなあと思ったり。
もう一つは、画面内指紋認証機能を組み込んだこと。これにより、前面や背面に指紋センサーを個別に置く必要が無くなり、非常にシンプルなデザインとなった。 スマホトップシェアを維持しつつも、昨今は躍進著しい中国勢に追われる立場となっているSamsungだけど、技術力、開発力の高さを誇示するような圧倒的な物量作戦には恐れ入る。
一方、近年シェアがどんどん低下し存在感も希薄になってきたSONYのXperiaシリーズ。 約1年前にリリースされたXperia XZ2シリーズがベゼル広い、分厚い、重いの時流から外れまくった代物で市場から総スカンを食らいモバイル事業も深刻な赤字に苦しんでいますが、どうやら次に出るフラッグシップは「XZ」をやめるようです。
Xperia→Zシリーズ→Xシリーズ→XZシリーズ
とブランドも方向性も迷走している感がありますが、次は単純に「Xperia 1」「Xperia 10」などのシンプルなブランド名になるようです。 そして、かつてのXperiaの代名詞とも言われた、パープルカラーが遂に復活するかも!と言う情報も。
他のメーカーでは中々使わない紫色を堂々と使って個性を出していた感じがありましたが復活は嬉しいかも。
後は、EssentialがPH-2を出すかもと言う噂とか
GoogleがPixel 3の廉価版としてPixel 3 Liteをリリースするんじゃないかとか
怒濤の中華勢に負けず劣らず、各社とも色々動きがありそうでMWC前後の情報に注目したい。
フルサイズデジカメ続々
CP+2019の開催が迫ってますが、それを見越してかデジカメ関連の情報がアグレッシブに出てきてますね。
昨年末に、キヤノン初のフルサイズミラーレス「EOS R」を発表したばかりなのに、それの更に廉価版の「EOS RP」をもう出してくるとは。 価格も想定が16万円相当と言う事なのでフルサイズとしてはかなりお手頃、価格面でSONYのα7無印あたりと十分渡り合える所に来たと言えるかも。
と言うより、EOS RPのリリースで、既存のEOS Rの方が「上位機種」相当になるんだけど・・・・ スペック的に見るとEOS Rでもまだまだハイアマチュア/セミプロには不足するような気がしないでも無い。 カジュアルアマチュアにとっては充分すぎると思うけど
EOS Rの更に上位機種は出ないのかな・・・
一方で、海外では既に発表済みのLマウント採用、フルサイズLUMIXについても国内正式発表 news.panasonic.com ミラーレスとしては先駆者でもあるパナソニックですが、フルサイズではLeica、SIGMAとアライアンスを組んで「Lマウント」としてやっていくことになったみたいだけど、アライアンスの相乗効果が出せるかどうかが鍵ですね。
今年はCP+行けるかな・・・色々みてみたい気もする。
ニュース諸々
2019年早々色々イベントがありますが、諸々色んな製品が発表されていますね。
まずは年始の自動車の祭典、デトロイトショーにて
以前から登場が噂されていた、新型スープラが遂に正式発表。
以前発売された86/BRZがスバルとの共同開発でしたが、今回は BMWのZ4との共同開発。
日本仕様は3.0リッター直6ツインターボと2.0リッター直4ツインターボ。 でかそうに見えるけど、ホイールベースは86よりも短いそうで縦に短いショートホイールベースでワイドトレッドになってるらしい。
何となく極端なショートホイールベースと言うと、ランチアストラトスとか、アルファロメオの4cとかを思い出すけどこれらのカリカリスポーツカーというわけでも無さそう。
デザインに関しては賛否あるみたいですが、個人的意見としては良くも悪くもスープラらしいと言うか・・・ 元々歴代のスープラも、ほれぼれするほどカッコイイと言うほどでも無くて全般的に好き嫌いの分かれそうなデザインとも言えそうなので特に違和感は無いです。
そして価格も、もちろん86よりは高価格帯ではあるが最低でも1000万円を優に越えるレクサスLCや2300万円越えワンプライスのNSXと比べれば「ちょっと頑張れば手に入りそう」レベルなのは絶妙な価格設定な気もする。
なんと言っても、 BMWのシルキーシックスエンジン搭載車がトヨタディーラーで買える!! のは実は何気に凄いのではw
次、スバルがハイパフォーマンスの限定モデルの新型「S209」を発表。 carview.yahoo.co.jp 歴代インプレッサ、WRXをベースにしたハイパーモデルも9世代目。
ただ、今回は初めて米国仕様のWRX STIをベースにしているそうで、エンジンも米国仕様の2.5リッター水平対向EJ25のみ。
で、販売も米国限定だそうで。 歴代Sシリーズも発売開始から瞬殺の人気モデルだけに、今回が米国限定というのは残念。
ガラッと話は変わってCES2019
AMDが7nmの新チップを投入すると言う話。実はこれプロセッサ業界では一大事で、CPU界の巨人intelが実はプロセスルールの更新で手間取っていて、未だに10nmベースに製品すらろくに投入できていない。
AMDは7nmを今年中に投入できれば、intelにプロセスルールで完全に先行する。これはこれまで無かったことで歴史的一大事。 7nmと言えばAppleもiPhone、iPad向けに7nmルールのA12を投入済み
完全に出遅れたintelが今後どう出るか注目。
また、ガラリと変わってカメラの話題。
昨年末にリリースされた、ニコンのフルサイズミラーレス、Z6/Z7。
高い性能は評判が良いが、一方で「瞳AFが無い」「CF Express未対応」については批判されていた。 それを受けてかどうか知らないが、対応するファームウェアを開発中とか。
一方でα7/9で先行するSONYは更にAFを強化するファームウェアを開発中。 3月頃リリース予定らしいのでCP+2019辺りで実機での動作を見られるのかな?
楽しみ〜
意欲的なAndroid端末が近日中に続々リリース!
先日もAndroid端末の事を取り上げたばかりですが・・
iPhone Xs/Xs maxの発表/発売開始以降、対抗するAndroid側も次々と意欲作が出てくるようです。
10/10にGoogleの発表会が予定されており、Google 謹製のAndroidリファレンス端末であるPixelシリーズの新作がいよいよ日本でもリリースされる予定なのは先刻お伝えしたとおり。
一方でP20 proの驚異的なカメラスペックで、一気に日本での知名度を上げたHuaweiもフラッグシップの最新機種のMate20シリーズを10/16二も発表する予定らしい。
そして、ここに来て最近元気の無かった国内メーカーの中からシャープが意欲的な新機種を発表。
「液晶のシャープ」とまで自負していたシャープがとうとう、有機ELを自社生産して新デバイスの「AQUOS Zero」に投入するらしい。 これまでスマホ向けの有機ELパネルと言えば殆どがサムスンとLGの韓国勢の独壇場でしたが、ここにようやくシャープも参入。
液晶の品質では定評のあるシャープが有機ELでも実力を出せるのか、期待です。
そして、なんと6インチを越える画面サイズにもかかわらず、146gと言う超軽量に驚き。 最近は6インチクラスのスマホが増える中、重量もどんどん増えて170~200g前後が当たり前になってきているなか、桁外れの軽さ。 背面に軽量で剛性の高いアラミド繊維を使うことで、軽量化を実現しているとか。 カーボン調の背面が特徴的ですね。
車やバイクが好きな人であればこの手の素材は違和感無いでしょうが、一般的にはあまり馴染みのない素材感かもしれません。 アラミド繊維自体には色を付けることも出来るようなので、製品版が出る時にはカラーバリエーションも期待したいですね。
そして、今日になってまた衝撃のニュースが!!
海外では既に発売されている、Oppo の「ほぼ全画面スマホ」こと「Find X」がとうとう日本でも発売されるらしい。 iPhone X等の昨今のスマホでは「ベゼルレス」と言いつつ、前面のカメラなどのセンサモジュールを搭載させるために画面上に所謂「ノッチ」を残しており、これが賛否両論ありますがFindXはこのノッチを無くした物。
ではカメラなどのセンサーはどうしたのか、と言うと画面の後ろに隠れており必要な時にスライドして現れるというもの。
This Smartphone Changes Everything...
その為、スマホの表面が「ほぼ画面しか無い」という状態になっている。 一部ではかなり話題になっていたが、これが日本でもリリース予定とか。
個性的なAndroid端末が続々出てきそうで楽しみです。 (いや、替えないけどw)
「ピュア」Androidが続々
先日新型iPhoneが発表されたばかりですが・・・
やはりAndroid端末と比べて、iPhoneは端末が限定されていることもあってかOSのサポートが長いのが魅力とも言えます。
新型iPhoneにあわせてリリースされるiOS12はなんとiPhone5Sもサポート。 少なくとも次のバージョンが出るまではサポートされることを考えると最長で6年近くのサポート期間になる。
寧ろOSのサポートよりもバッテリの劣化を心配する必要があるくらい。
一方で、Androidは種類が多くカスタマイズされている場合も多くて、アップデートがろくにされない端末も少なくない。 折角端末を買ったのに1~2年でアップデートもされなくなりセキュリティリスクが放置されることも。
Android端末はバージョンの分断が深刻な問題になっている。
これまで日本ではAndroid端末はdocomoやau等のキャリアの販売が中心で、キャリアの意向でカスタマイズされた物ばかりでアップデートがされない/遅い物が殆どだったが、最近になってようやく「素」のAndroidに近い端末も少しずつ出てくるようになった。
素に近いAndroidだと、カスタマイズが少ないのでAndroidのアップデートやセキュリティ対策も比較的安定的に提供される。
Essential PhoneはAndroidの生みの親であるアンディ・ルービン氏が設立したEssential社によって作られたスマートホン。 リリースは1年ほど前なので今更感はありますが、つい先日リリースされたAndroid 9 Pieが最も速く適用された端末としても知られている。
リリース当初は日本の技適を通っておらず日本で使うことが出来なかったが、途中から技適通過になり輸入などで使えるようになった。 とは言っても米国から購入する必要があり少しハードルが高かったが、ようやくIIJと楽天モバイルで扱えるようになった。
ただ、このEssential Phone。思ったほど売れなくて、会社が身売りされる可能性も指摘されており継続性に疑問符が残りそう。
一方で、Google謹製の端末Pixelシリーズ。以前はNexusシリーズが国内でもリリースされていたけどPixelシリーズはこれまで技適が通っておらず、日本で使うことが出来なかった。
けど、どうやら新型の日本でも近日中にリリースの可能性がありそう
また、日本リリースの話は無いけどIFAで情報が出ていたのがLG のAndroid One端末「LG G7 One」をリリース
Android Oneと言えばこれまでリリースされたのはどちらかと言うと、エントリークラスが多かったけどG7 Oneは最新では無いがほぼ1年前の ハイエンド(と言うかEssential Phoneと良く似たスペック)
Essential社と違ってLGなので、会社的にはそうそう身売りの心配は無さそう。
多彩な機能やカスタマイズされた個性的なAndroid端末も良いけど、一つの端末を長く使いたい人にとってこう言ったシンプルなピュアAndroid端末の選択肢がふえてほしい。
Appleが「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」と「Apple Watch Series 4」を発表
周回遅れ感のXperiaなー・・・
項目 | スペック |
---|---|
プロセッサ | Snapdragon 845 |
RAM | 4GB(6GBモデルの噂もあり) |
ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | microSDXC(最大400GB) |
ディスプレイ | 6インチ POLED(有機EL) |
解像度 | 1440x2880 |
バッテリ | 3330mAh |
アウトカメラ | 1920万画素 単眼 |
インカメラ | 1320万画素 単眼 |
サイズ | 73mm(W)x183mm(H)x9.9mm(D) |
重量 | 193g |
OS | Android 9.0(Pie) |
勿論、現在のトレンドとなる「ほぼベゼルレス」や「二眼、三眼カメラ」といった部分には追従出来ていない物の、ようやく少しはトレンドに近づいたスペックになった印象がある。
Xperiaとしては初有機ELだけど、SONY自体はBRAVIAで有機ELの画像チューニングの実績もあり、その辺のスマホメインの他社と比べればアドバンテージはありそう。
「分厚い、ベゼル太い、重い」の三重苦だったXperia XZ2から一新したスペック。と言うか、XZ2は完全に要らない子www 寧ろ何であんな酷いのをリリースしたのか謎。
そして、IFAではミッドレンジモデルとしてXperia XA2 Plusも発表。
項目 | スペック |
---|---|
プロセッサ | Snapdragon 630 |
RAM | 4GB/6GB |
ストレージ | 32GB/64GB |
外部ストレージ | microSDXC(最大400GB) |
ディスプレイ | 6インチ IPS液晶 |
解像度 | 1080x2160 |
バッテリ | 3580mAh |
アウトカメラ | 2300万画素 単眼 |
インカメラ | 800万画素 単眼 |
サイズ | 75mm(W)x157mm(H)x9.6mm(D) |
重量 | 205g |
OS | Android 8.0(Oreo) |
プロセッサこそミドルレンジで有機ELではなく液晶だけど、それ以外のスペックは決してXZ3に見劣りしない物。 更に、XZ2/XZ3で不評な背面指紋センサーの位置もまともな位置になってるし、XZ2以降で廃止されたイヤホンジャックもある。
ミドルレンジ機としては無難すぎる作り。
はっきり言って、どちらも「ようやくまともなXperiaが出た」感ある。
と、同時に「何故半年前にこれが出せなかった!!」とも言える。 スペック的にもそれほどリスキーなことをしているとは思えないので、XZ2なんて出さずに半年前にこれらを出すことは十分出来たはずだ。
もちろん、出していたところで躍進著しい中華勢やSamsungの対抗になれたか、と言うと疑問符は残るけど、 少なくとも国産信仰の強い日本では一定程度の支持は得られただろう。
半年前に
リリースできていれば、少なくとも日本ではHuaweiやSamsungがゴッソリかっさらっていった市場のある程度はSONYが堅持できていたんじゃないかと。
兎に角、今のSONYは何もかもが遅すぎる。
---9/6 補足 XZ3はとりあえず、他社のトレンドを後追いしてるだけであって、SONYならではの魅力や機能が全然無い。 ぶっちゃけ「SONYじゃなくても全然良い」端末であると言う意味では、私も決してXZ3を諸手を挙げて評価しているわけではありません。
少なくとも、国産信仰の強い国内でのウケは違っただろうなぁ、と思っただけで正直ワールドワイドで見れば中華、韓国勢に埋もれて今回も特に受け入れられること無く忘れられるでしょうね。