新型コロナの対応で問われる死生観
4月から発布されている緊急事態宣言。当初予定の1ヶ月の期間終了間近になって延長がほぼ確実になった模様。
不要不急の外出抑止や在宅勤務の要請など今までの暮らし、働き方とは異なる対応が迫られている。 私も4月は殆ど在宅勤務となった。
正直、馴れないながらも在宅でも仕事が出来る私のような職種はまだ恵まれている方で、多くの職種で営業の自粛や需要の減退に伴う稼働率の低下などが深刻になっている。
食料品スーパー
ドラッグストア
病院、福祉施設
物流業界【個人宅配送など】
は通常時を超える繁忙状態になっている一方でそれ以外の業種は壊滅的と言っても良いほど深刻な落ち込みとなっている。
大手の赤字も深刻だけど、圧倒的多数の中小や個人レベルの企業の業績はもっと深刻で既に倒産や廃業、閉店が相次いで発生している。
https://www.shibukei.com/headline/15027/
渋谷のクラブも閉店。Vuenosとかは何度かイベントで訪れたこともあって閉店は本当に残念。
過去にこのイベントでも行ってますな
妻が好きなブランドのCath Kidstonも今回の新型コロナウイルスの影響で全世界の店舗を閉店。オンライン販売のみに切り替えるとか。【日本法人は破産】
確かに旅行やブランド品の買い物などは「不要不急」と言われてしまえばその通りなんだけど、生活に必須では無く「今」必要なものでは無いと見なされてしまうのは、企業活動のモチベーション維持としては辛い物がある。
このまま緊急事態宣言が延長されると、経済活動の停滞に伴って失業者が大幅に増加する可能性も有るという試算もある。
失業率が上昇すると懸念されるのが経済苦による自殺の増加。
少し前の情報だが失業率が1%増加すると年間2000~3000人自殺者が増加するとも言われている。 www.newsweekjapan.jp
先の記事で予測されている77万人が失業したら、失業率はほぼ1%上昇する。
直近の新型コロナウイルスの感染者、死亡者の情報サイトで調べてみると今日(2020/5/4)現在での新型コロナウイルスによる物とみられる死亡者は549人。 covid-2019.live
凄く残酷な見方をすると、
このまま経済活動の自粛を続けて失業による経済苦での自殺者が増えるか
経済活動を再開して感染者数の増大による死者の増加をある程度許容する
のどちらを選ぶか、と言う選択を迫られているとも言える。
どちらの道を選んでも残念ながら死者をゼロには出来ない。日本は現時点では前者を選んだと言う事かと思う。あとは経済的な保証や休業、失業の補償を如何に厚く出来るか、政治の手腕が問われることになる。
一方で、後者を選んだのが北欧のスウェーデン。
政府による行動自粛やロックダウンなどは実施せず、国民の行動の「自主責任」に任せていると言う点である程度国民の高い自主性や意識の高さに依存した対応であると言える。
ただ、一方で感染者数と死者の増加は他国を上回った速度で進行しておりこの対策が良いのか悪いのかは判断が難しい。
下記の様な意見もあるけど敢えてノーコメント
スウェーデンやべえ。自粛解除で死亡率12%まで上昇しても国が「だって死んでるの殆ど老人ですやん?経済死んだら労働力になってる世代が死にますやん?じゃ老人は死ぬの我慢してくださいね」って切り捨て政策実行できるの、ほんま色んな意味ですごい。これが高税率+高福祉国家か…
— 鶏天 (@toritoritenten) May 2, 2020
果たして日本はどうすれば良いのか,良くも悪くも死生観と,命の選択が求められている。
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