Re:RXJ Station

RX-JUNのブログです。ガジェット系ニュース、テクノ系音楽、カメラ、バイクの話題、アニメ、英語、本や音楽のレビューなどをだらだらと駄弁ります

芸能人の不祥事と作品の自粛ムードについて

最近の話題と言えば、やはりピエール瀧の逮捕。

www.jiji.com

電気グルーヴについてはかれこれ20年以上ファンだったし、ライブも何度も行っている。 色んな意味で電気グルーヴには影響を受けた。多分電気を聞いていなかったら、テクノ、クラブミュージックに傾倒することも無かっただろう。

だからこそ、今回のピエール瀧の逮捕は本当に残念。 薬物依存に関しては決して許されることではないので、瀧は本当に猛省して欲しいし罪を償い薬物依存から脱却して欲しい。

ただ、その事によりピエール瀧に関わる音楽、ドラマ、映画などの作品が次々と「自粛」の名目で配信停止、店頭回収などになるのは残念。 これまでも様々な芸能人の不祥事で同様なことが起きており、疑問に思っていた。

既に音楽配信Apple Musicでも電気グルーヴ関連は聴けなくなっている。

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この時点では表示はされる物のDL出来なかったが、今日現在では検索すら出来なくなっている。

ピエール瀧自体はここ10年ほどは電気グルーヴの音楽活動よりもドラマの俳優などでの活動が目立っており、「あまちゃん」や「シン・ゴジラ」、直近だと大河ドラマの「いだてん」にも出ていた。

ピエール瀧がミュージシャンだとは知らない」人も居るくらいだ。

ピエール瀧自体が犯した罪は、確かに罪であり彼がしたことは許されることではない。 ただ、音楽やドラマ、映画に関して言えば「ピエール瀧だけのものではない」事は確かだ。

電気グルーヴ石野卓球ピエール瀧のユニットであり、楽曲についても殆どは卓球がプロデュースしている(何曲かは瀧のものもあるが) ドラマや映画だって多くのスタッフやキャストが関わっており、決して彼一人のものでは無い。

なのに、作品全体が「自粛」の名の下に配信停止され、店頭からは回収されまるで「無かったこと」のようにされるのはどうなんだろう?

実際、電気グルーヴのCDに関しては店頭回収され新品の購入が出来なくなっていることから、回収前に買い占められた物がオークションサイトなどで高値で取引される事態になっているという。

www3.nhk.or.jp

これでは、結局怪しげな転売業者に儲けさせることになる。

一方で、瀧が出演する映画を自粛せずに敢えて公開する決断をした物もある。

www.huffingtonpost.jp

宇川直宏の運営するライブストリーミングサービス「DOMMUNE」でも3/26に電気グルーヴONLYで5時間DJプレイを行うイベントを実施した。 「WHO IS MUSIC FOR? MUSIC FOR EVERYONE!」

そのイベントの背景の説明でとても印象的な部分がある。

www.dommune.com

当然、人が犯した罪は、社会的制裁を受ける。しかし、作品は作家の手を離れた後は、受け手の解釈にその存在を委ね、自由に一人歩きして人々の心の中で生き続けているのです。

石野卓球氏とピエール瀧氏がこれまでに作り上げてきた電気グルーヴの作品群も例外ではなく、世代やジェンダーを超えて、今も無邪気に人々の心的緊張を解きほぐし、フィジカルな躍動を世界の側に平等に与え続けています。その恩恵にあずかっている人々が、世界には何十万と存在します。

そんな掛け替えのないアーティストの音源が、残念なことに現在出荷停止になり、在庫は回収…そしてヤフオク、メルカリでは、無謀に価格が高騰してしまっている現状….。

この事は、至極ナンセンスだと捉えられることが出来るでしょう。

(中略)しかし、コンプライアンスに細心の注意を強いられる現在、今回のレコード会社側の苦渋の決断とその重さも我々は音楽メディアとして理解しているつもりです。

そしてこれは、企業としての社会的責任を果たす為の措置であり、故にその期間が延々と続くわけではないことも、過去の事例から皆本当は知っている筈です。

つまり電気グルーヴの作品は葬られるわけではなく、暫くの間、原盤権を保有するレーベル側から蓋をされているというのが現状かと思います。

また、モンスタークレーマーからの苦情や、関連企業や株主、他の所属アーティストへの影響にレーベル側が配慮するのも当然だと思いますので、このことについては、まだまだ議論の余地があると考えられます。 つまり音楽への愛だけでは乗り越えられない現実があり、我々はそのことを暗黙のうちに保留にしてしまっているのではないでしょうか?。これは大きなジレンマです。

本当にその通りだと思う。

一方で、一つ気になるのが最近は音楽や映画などをCDやDVDなどの媒体やダウンロード販売で購入するのではなく、サブスクリプション契約で聴き放題、見放題サービスを使うのが当たり前になってきている。

音楽売上でもダウンロード販売よりもストリーミングの方が売上が多くなってきている。

www.itmedia.co.jp

媒体やDLの買い切りでない限り、今回のような不祥事で関連作品の自粛が起きると、冒頭のApple Musicの例のように 「今まで聴けた楽曲がある日突然聴けなくなる」 のはわりと深刻な問題。

こうならないように、ストリーミングサービスではなく、きちんと購入出来ればまだ良いのだが今後ストリーミングサービスが主流になってくると、そもそも「購入」することすら出来なくなるかもしれない。

私が調べてて気がついたこの件

Apple自体は否定しているけど、AppleApple Musicのストリーミングに特化して、iTunes Storeでの楽曲販売をいつやめてもおかしくない状況。

iphone-mania.jp

サブスクリプション契約のストリーミング配信は便利だけど、こういう事があるとやはり 「コンテンツは物として持っておきたい」 とやはり思ってしまうなぁ・・・・

改めて言いたいのは、

ピエール瀧の罪は罪としてしっかり償って貰いたいし、許されることではない。 が、それはそれとしてピエール瀧が関わった作品を「無かったこと」として封印しないで欲しい。