chromebookをゲットしてみた
今年のはじめあたりにTVCMで何度か放映されていたchromebook
GoogleのChrome OSを搭載したモバイルPCのカテゴリで日本でも2015年前後からひっそりと販売されていたけど正直当時はあまり話題にもなっていなかった。
ところが昨年あたりから文部科学省が打ち出した教育のICT化に向けた「GIGAスクール構想」が出てきて、 これにChromebookが適しているのではないか?と言う論調が出始めてきた。
それに合わせて、俄にChromebookへの注目度が上がってきた。
私も興味を持ち始めて色々調べているうちに実機を触りたくなってしまったので、ついゲットしてしまいました。
Chromebookとは?
Googleが作成したLinuxカーネルをベースとした「Chrome OS」を搭載したPCのことを指しています。
Chrome OSはその名の通りWebブラウザのChromeをUIのメインに据えたシンプルなOSです。 基本的にネットワークに接続しオンラインで使うことを前提としているので
など割り切った仕様になっており、この事により比較的低スペックの装置でも軽快な動作を実現できる。 ブラウザやクラウドベースでの処理をメインにするのであれば、わざわざWindowsやMacなどの高性能PCを使わなくても良い点がメリットと言える。
ゲットしたChromebook
ASUSのChromebook Flip C302CAになります。
Chromebookであることを証明するかのように、筐体にChromeのロゴがついてますね。
最新の機種ではないのですが、1kg前後の軽量サイズでそれなりに画面解像度のあるChromebookを調べたらこの機種にたどり着きました。
諸元 | 内容 |
---|---|
CPU | Core m3-6Y30 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | eMMC 32GB |
ディスプレイ | 12.5 インチ/1920*1080ドット |
無線LAN | 802.11 a/b/g/n/ac 対応、Bluetooth4.0 |
キーボード | 日本語対応 78キー(バックライトあり) |
外部 I/F | USB 3.1 (type-C) * 2(充電兼用)、microSD/SDHC/SDXC対応スロット、イヤホン/マイク用ジャック |
筐体サイズ | 幅304.4mm×奥行き210.2mm×高さ13.7mm |
重量 | 約 1.2kg |
正直、普通にWindowsPCの感覚で見ればCPUやストレージなどのスペックはローエンドもいいところの貧弱構成ですが、そもそもローカル(端末内)での処理をあまりしないことを前提にしたChromeOSなのでこのスペックでもほとんど問題ないです。
広げるとこんな感じ
見た目は普通のノートPCと殆ど変わらないです。
4〜5万程度の装置にしてはアルミを使った筐体や、しっかりしたキーボード、ディスプレイの映りもはっきりしており、ハードウェアとしての質感は「お値段以上」感はあるかと思います。
強いていうと昨今のWindowsやMacbookなどのノートPCが筐体サイズをなるべく増やさずに、ベゼルを極限まで狭くして画面を大きくする傾向が強い中極太ベゼルなのが少しやぼったく見えるかもしれません。
Flipとあるので画面は360度回転させることができるので、テントスタイルや完全に折りたたんでタブレットのように使うことも出来ます。
キーボードはどちらかというと感覚的にはWindowsよりもMacに近い感じ。
キー配列はシンプルでスペースキーの横に「英数」「かな」キーがあるのがMac馴れしている人にとってはとっつきやすい。
検索用のキーやFnキー相当のキーがChromebook独自色あるけどそれ以外のキーは割とオーソドックス。
設定
初期設定
Google製のOSという事もあり、使用にあたっては基本的にGoogleのアカウントでの登録が基本になる。 というかそれくらいしか設定することがない。
Googleアカウントの登録が終わると自動的にChromeやgmailなどのセットアップも連携して行われる。 既にWindowsやMacなどでChromeを使っていればそのままの環境がChromebook上で再現できる。
上記でも述べたようにChromeブラウザがUIの核となるので、追加機能とかも原則的に「Chromeのアドオン」的な扱いのものが殆どになる。
ただ、Chromeのアドオンベースのアプリのみだとやはりできることに限界があるので、Chromebookでは一部Androidのスマホ/タブレット用アプリも動作できるようになっている。
さすがにスマホ用のアプリが全て動くわけではないが、ある程度は動作する。
Chromeアドオンにしろ、Androidアプリにしろ、原則Googleのアカウントに紐付いているのでもし将来的に別のChromebookに乗り換えたとしても、すぐに環境を移行できる。
Andoroidスマートフォンとのペアリング
Chromebookは起動時に、Googleのアカウントベースでのログインが必要になるが、毎回アカウント/パスワードを入力することがちょっと面倒に感じる場合もある。
そこで、同じアカウントを使用するAndroidスマートフォンを持っていれば、そのスマホを「信頼できるデバイス」としてBluetooth連携することにより、スマホが近くにある状態であればパスワード入力をすることなくログインできるようになる。
chromebookandandroidandme.slump.jp
C302CAには指紋や顔等の生体認証を行う仕組みがないが、SmartLockを有効活用すれば簡単にログインできるようになる。
メリットとデメリット
メリット
動作が軽快
基本的にChrome以外のアプリは殆どないし、バックグラウンドで動作するサービスやプロセスも少ないため、メモリやCPUが貧弱な割には動作が遅いと感じることはほとんどない。
そして、なんと言っても起動と終了がめちゃくちゃ速い。C302CAには電源スイッチがなくて画面を開くと自動的に電源ONになるが、開いてものの5秒程度でログイン画面が表示される。終了も1〜2秒であっという間に終了する。設定が容易、機器への依存度が少ない
初期設定の欄でも述べたけどGoogleのアカウントをベースにすべての設定が連携するので、細かい設定をする必要がないので導入が容易。そして端末が変わったとしても容易に移行が可能。 とにかくGoogleのアカウントが命セキュリティの不安が少ない
WindowsやMacの場合攻撃の対象になりやすく、ウイルス対策ソフトの導入は必須と言ってもいいがChromebookはWindowsでもMacでもなく、かつ各プロセスがサンドボックスで保護されているので、万が一攻撃を受けてもシステム全体に影響を及ぼすことが出来ないなどOSの仕組み上セキュリティの不安要因が少ない。
とにかく手軽に安心に使えることが最大のメリットと言える。 上記で述べたGIGAスクール構想でも、安価でアカウント管理のみで即座に導入でき、セキュリティ的にも安全なChromebookが子どもたちに教育用に配布するデバイスとして適していると判断され始めているようです。
デメリット
CPUやグラフィックに負荷のかかるアプリケーションは不得意
基本的に処理はネットワーク上(クラウド)で処理させることを想定して、端末自体の処理能力は決して高くないので、端末側に負荷がかかるような動画/静止画編集や、高度なグラフィックのゲームなどは得意ではない。またストレージの容量も決して多くはない(殆どのChromebookはせいぜい32GB〜64GB程度)ので端末にデータを溜め込むような用途には向いていない。「Google」以外のサービスとの連携はあまり得意ではない
基本設定がGoogleアカウントベースなので、Googleサービスであれば殆ど何も考えずに連携できるが、一方で「Google以外」のアカウントやサービスとの連携は必ずしも楽とは言えない。
例えば、gmail以外のメールアドレス(POP3又はIMAP4)を持っていてそのメールを読めるようにしたいと思っても、標準ではgmail以外のメールを読むためのメールクライントがない。(Webサービスベースであればもちろんchromeで読めるが)いろいろ試してみた結果POP3/IMAP4に対応したAndroid用のメールクライアントアプリを別途用意するしか無かった。Chromebookの「自動更新」に機器毎に期限がある
Chromebook自体はGoogleによってデバイスとOSがまとめて管理され、機能追加や不具合修正も自動的に行われます。これによって特に個人がアップデートの管理をすることなく安心して使えるのですが、一方でこの更新が適用される期間がデバイスごとに決められており、自動更新期限を超えるとそれ以降の修正がされなくなります。
私のC302CAは2023年6月が自動更新期限となっており、これ以降はOSの修正がされません。
自動更新ができなくても使い続けることは出来ますがセキュリティ的なリスクは発生します。なのでハードウェアの故障有無に関係なくChromebookには実質的にな「使用期限」が存在します。
Googleに管理を預ける一方で、Googleから「切られて」しまえばそれまでとなります
まとめ
Chromebookには上記のようにメリット・デメリットがあるので、正直「万能」のデバイスとは言えません。ネットワーク接続を前提としてクラウド側のリソースを最大限活用することを前提にしたデバイスなので、得意/不得意は当然あります。
Chromebook1台で自分のやりたい作業を全て完結させようとすると無理が出る場合があるので、あくまでもWindowsやMacなどをメインで使っている人のサブマシーンとして使うのが望ましいのかな、とも思ったりします。
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