漫画村と電子書籍を巡る問題について
ここ数ヶ月話題となっているのが新旧の漫画が実質読み放題となっていた「漫画村」などの違法なコミックの配信問題。
下記のサイトにもあるけど、単純に違法配信なだけでなくこの事象は色々な問題をあぶり出していると思う。
当然、政府が要請しているサイトブロッキングなどの部分の問題もあるけど、自分としてはやはり何故漫画村のような配信サイトがあるのか、それはそこに見たいと思う人たちの需要を満たす所があったのだろう。
そこで思ったのが、音楽でかつて問題になったNapster問題について。
ナップスターとは一体何だったのか、映画『Downloaded』の監督が振り返る (2013/07/05) 洋楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
Napsterは90年代末期にmp3等を中心としたファイル共有のサービスだったが、音楽著作権を無視したことで既存の音楽業界からの強い反発を受けた。
結局訴訟に負け、Napster自体は消滅した。
その後、iTunes等の音楽配信サービスが普及し、今や(日本を除く世界で)配信の市場規模はCDなどの物理媒体を越えるまでになっている。
初期の頃は様々な音楽配信サービスが乱立し、それらが独自のDRMがかけられ専用のサービス、専用のプレーヤーでないと再生できない等の混乱もあったけど、iTunes等も徐々にDRMを外すようになった。
このことによって楽曲がサービスの縛りから解放され、利便性が向上した。
また、昨今ではSpotify等の定額での聴き放題サービス等も台頭しはじめている。
少なくとも音楽配信の世界では、
の二極化でほぼ成り立っていると言える。
聴きたい曲はいつまでも手元に残しておきたい(配信サービスの生死に寄らず音楽は自分の物として残る。)と言う需要と、手元に残らなくても良いから色んな曲を制限無しに聴きたい、と言う需要をかなえるサービスがそれぞれある。
しかし、電子書籍には現在これらが整備されているとは言いがたい。
kindleのサービスは相変わらずDRM付きの独自フォーマットだし、他の電子書籍サービスでもサービス終了等によりそれまで購入した書籍が読めなくなる問題なども起きている、
やはり、電子書籍でもフォーマットの統一(例えばEPUB3とか)とDRM無しの配信などが行えないと真の意味での普及や需要に応えきれないのではないだろうか?