009 RE:CYBORG
サイボーグ009を新解釈で映画化した「009 RE:CYBORG」を観てきました。
かつて世界を危機から救い出した00ナンバーサイボーグ。役目を終え、それぞれの祖国に戻っていた。
そんな中世界中で高層ビルが次々と爆破される連続テロが発生。
それぞれの実行犯は共通して「彼の声に従って行動を起こした」と言う。「彼」とは何なのか・・・
監督は神山健治氏。「攻殻機動隊 S.A.C.」や「東のエデン」などでもおなじみ。製作はプロダクション I.G.。
キャラクターデザインは昔の石ノ森章太郎のマンガのイメージから大きく変えて全般的に「大人」っぽくイメージチェンジ。
特にフランソワーズのエロいことエロいこと。無駄にエロい。
映像的にはすごい・・・すごいんですが・・・・
ストーリーというかシナリオが残念。
上記のように「彼の声」とは何かを巡ってややサスペンスめいた謎解きをしていくわけですが・・・
ネタバレになるのでこれ以上は述べませんが、正直言うと余りすっきりした回答はでずにうやむやのまま終わってしまう。
哲学的な台詞回しや意味深なアナグラムなどなど、神山節というか、師匠の押井守の影響を強く受けた小難しい話が続いてしまい、せっかくのゼロゼロナンバーの魅力が余り出せていない。
「009の映画」と言うよりは「攻殻っぽい009」や「押井・神山流の新作」としか言いようが無い。
009の原作を知っている身としては、新しい009と言うよりはどうしても別物に見えてしまう。
あと、メンバーによって扱いに差がありすぎ。ピュンマ(008)に至ってはほぼ特殊能力の出番無し。アレじゃ可哀想すぎる。
神山健治監督に関しては攻殻機動隊SACの頃は「すごい才能を持った人が出てきたものだ・・・」
と思ったけど、その後の「東のエデン」や今回の「009」を見る限り
「ひょっとしたら同じ事しか出来ない人なんじゃ」
と思いつつある。良くも悪くも攻殻の頃から進歩していない気がする。
また、映像自体は確かにすごいのですが、全般的にキャラの動きが全般的にカクカクしているのが気になりました。
アニメーションとしてのコマの中割がちゃんと出来ていない。
「セル画」として動きを見せているわけでは無く、CGで作っているせいなのか動きのメリハリがいまいち。
009に関しては原作が好きだっただけにこの映像化は少し残念でした。