円城塔「Self Reference ENGINE」
私は凄いSF小説を見つけたのかもしれない。
これはSFなのかもしれないが、そうではないかもしれない。
そもそも小説ではないのかもしれないが、そうではないと証明することも出来ないのでとりあえず小説と呼ぶことにする。
世界中の時間と空間の統一性がばらばらに砕け散ってしまった「イベント」と呼ばれる事象が起こった前後の人や出来事を様々な角度で22個の短編で取り扱っている。
- 生まれた時から未来方向から打ち込まれた弾丸を頭に埋め込まれた少女
- 知性を持ち、言葉を語る靴下
- とある家の床下から見つかった22体のフロイト
- 因数分解を説明するために八丁堀の捕り物を演じる巨大知性体
- 自己消滅をしていくオートマトン
- 脳拡張をした結果、非晶質体に記憶を転移した女性
そんなわけが分かるような分からないような話が一見何のつながりもないようで実は全体としては大きな一つのテーマを成している。
正直日本でこのような本を書ける作家が居たことには驚いた。
メタファーをメタファーで表現したよう難解な内容のため万人に勧められる代物ではないが、色んな意味で可能性を感じさせる作品だといえる。
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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