日本企業が残業だらけのブラックなのは本当に「生産性の低さ」だけが問題なのか?
何度も何度も話題になる、過労死の話題。
先日も電通の若手女性が社内パワハラや長時間残業を苦にして自殺した事が話題になった。
ただ、この場合は若手の女性だったからこそセンセーショナルに取り上げられただけで、それは氷山の一角であり実態としてはより多くの「普通のおっさん」の過労死がその背後にはある。
電通東大新卒美人の過労死はニュースになるけど、大多数であるオッサンの過労死はニュースとして価値が無い。 | ふくゆきブログ
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おっさんだろうが美人女子だろうが、等しく過労死なんて無い方が良い世の中に決まってる。
2016/10/11 07:08
で、こう言う問題が起きる度に
- 無駄な会議や意味の無い残業が多い
- 日本人は労働時間あたりの生産性が諸外国に比べて低い
等と良く言われる。で、「働き方を改革しよう」と・・・
もちろん、本当に非効率な部分は見直すべきだし、社内でのパワハラ、モラハラ、セクハラ等は是正されるべきだし、それはそれで効果があるだろう。
ただ、それは本質的な意味での「何故長時間残業や過剰労働が常態化するのか?」と言った実態のごく一面しか観ていない、と思う。
- お前の仕事のやり方が非効率的
- 不要な業務が多い
を効率化して改善できるのは「自社内で業務プロセスやスケジュールをコントロール出来る」業種だろう。
ここで見落とされがちなのは、業務には当然クライアント(顧客)がいるわけであって、このクライアントとの関係に主因が有る場合「自社内の努力ではどうにもならない」場合だって有るわけで。
実際、上記の電通の場合でも広告業界のクライアントからの無茶な要求に対する過酷な現実があるとも言う。
また、ブラックが当たり前と言われるIT業界でも、クライアントの無理難題による悲鳴が少なくない。
ITに詳しくないクライアントによる無茶な価格低減、非常識な短納期、生産性に対する無理解が原因による過剰な要求が多くのIT業界の底辺のエンジニアを追い込んでいる現実を見逃してはいけない。
これはいくら「労働生産性」とやらを上げたところで、実態としての業務量や過酷要求が減らないので何一つ解決にならない。
一つは「お客様は神様」と言う日本特有の過剰な「クライアント上位」な上下関係に起因する部分もあると思う。
生産性、生産性と目に付きやすい言葉で改革を促すのもそれはそれで大事だが、もっと現場の現実をみて、改革すべき点は他にもあるのではないだろうか。