Re:RXJ Station

RX-JUNのブログです。ガジェット系ニュース、テクノ系音楽、カメラ、バイクの話題、アニメ、英語、本や音楽のレビューなどをだらだらと駄弁ります

これが本当に「ニュー・ノーマル」なの?

今年の初頭から続く新型コロナウイルスに伴う世界中様々な影響。

日本でも多くの人が大きな影響を受けている。

未だに、海外を始めとして感染拡大は止まらない状況だ。

www.bbc.com

www.jiji.com

日本国内も、東京など殆どの経済活動などは再開したがまだまだ東京などを中心に感染者は出ている。

そんな中で、厚生労働省を中心に新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」という指針が発表された。

www.mhlw.go.jp

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641742.jpg

このタイミングで、様々な媒体が「ニュー・ノーマル」(新しい常態)というキーワードで、With コロナ時代のビジネスや生活方法などの提言を次々と発表している。

japan.zdnet.com

www.businessinsider.jp

jbpress.ismedia.jp

ニュー・ノーマルという言葉自体は、元々2007年〜2008年頃のリーマン・ショックを始めとする金融危機が発生した際に、起こりうるであろう構造的な変化のことを指すために生まれた言葉だという。

ja.wikipedia.org

ただ、今回のコロナウィルスの拡大で特に注目される対処としては

  • 衛生管理の徹底

  • ソーシャルディスタンスの確保

  • 人と人、人と物との接触を出来るだけ避ける

だろう。これらを実現するために主に想定されているのがIT技術を活用した徹底的なリモート(遠隔)でのやり取りだ。

半年前であればごく一部のベンチャーや、先進的な企業でしか行われていなかったテレワーク(Wfh:在宅勤務)が、今では多くの企業が取り入れている。私も気がつけば3月末からかれこれ3ヶ月ほど在宅勤務が継続している。

rxjun.hatenablog.com

一部では、在宅勤務を標準として単身赴任も不要とするなど働き方のスタイルそのものを変えるような動きも出ている。

www.calbee.co.jp

同僚、友人、親類が集まって食事をしたり飲んだりすることも憚られ、「オンライン飲み会」も急速に普及しはじめた。

rxjun.hatenablog.com

エンターテイメントの世界でもプロスポーツや、アーティストのライブイベント等が軒並み中止や,延期がされた。 直近でようやく無観客ながらも再開はされはじめているがまだまだと言ったところ。

つい最近では、サザンオールスターズが無観客のライブを映像配信し、大成功したそうだ。

www.itmedia.co.jp

今回のコロナ禍によって、こう言ったIT技術の活用による新しい働き方、生活、エンターテイメントの楽しみ方の「可能性」が広まった事については良いことだと思う。

ただ、これが「ニュー・ノーマル(新しい常態)」なのか?と言われると、どうしても自分にはこれが「ノーマル」になって欲しくないと言うモヤモヤ感がある。

オフィスに行かなくても仕事が出来る、お店に行かなくても物が買える、ライブハウスに行かなくてもライブを見られる。

それは「可能性」「自由」を増やす方向として「選択肢の一つ」としてあるのは良いと思う。

一方でリモートでしか出来ない、非接触以外は認めないと言ったような「自由」や「選択肢」を減らす方向の状況を「ノーマル」だとは認めたくない。

リモートにはリモートの良い所は有るが、一方で「実際にその場へ行く」「人と人がふれあう」「多くの人が同じ空間と体験を共有する」と言う体験はやはり他に代え難い貴重な物であり、これは無くなるべきでは無いと思う。

コロナ禍とは少し話がそれるが、Amazon等のオンラインショッピングの台頭の影響もあり、街の書店は次々と姿を消しつつある。

www.nippan.co.jp

欲しい本があり、近くに書店が無ければオンラインショップで買えば良いと言う事も言えるが、一方で「書店で偶然新しい本と出会う」と言う体験がオンラインショップでは得られないのもまた事実だ。

書店をただブラブラと歩き、色々自分の知らなかった分野の本を手に取ってみる,読んでみると言うのは書店ならではの本の出会い方とも言えるが、書店が減ってきた昨今、それも難しくなってきた。

ライブイベントも確かに配信で楽しむことは出来るかもしれないが、やはりライブハウスで直接当人達の演奏を、声を、息づかいを現場で体感することでしか得られない体験、感動もある。

rxjun.hatenablog.com

rxjun.hatenablog.com

rxjun.hatenablog.com

またエンターテイメントだけでなく、昨今では新製品の発表イベントなどもオンライン化されつつある。 先日のWWDCのキーノートスピーチも、編集済みのビデオをオンラインで公開するという形になった。


WWDC 2020 Special Event Keynote — Apple

もちろん,キッチリ編集されているので見やすくて素晴らしいキーノートセッションだとも言えるけど、Appleのイベントでは時として聴衆の驚きや、歓声などがスピーチを印象づける特徴になる場合も有る。

今や歴史的スピーチとなったSteve JobsiPhone発表時の様子も聴衆との掛け合いがあってこそだったと言える。


Steve Jobs iPhone 2007 Presentation (HD)

人と人が直接ふれあえない、マスクが欠かせないと言う状況はコミュニケーションにも少なからず影響がある。

乳幼児を預かる保育所では、保育士がマスクを付けた状態だと乳幼児に適切な保育が出来ないと言う指摘もあるようです。

www3.nhk.or.jp

一方で老人ホーム等に滞在する高齢者とその家族が何ヶ月も会えないと言った事も続いています。

www.shinmai.co.jp

私は、人と人はお互い触れあってこそ本当の意味でコミュニケーションが出来ると思うし、同じ空間を共有することで得られる体験はリモートには代え難い物があると信じています。

もちろん、現下のコロナ禍の状況でソーシャルディスタンスの確保や非接触の徹底が求められていることは十分理解しているし、今はそうせざるを得ない状況だと思ってます。 ただ、それは「ニュー・ノーマル(新しい常態)」ではなく「テンポラリ(一時的な物)」であるべきだと思います。

いずれ、新型コロナウイルスに対する治療薬、ワクチン、予防体制が整備された暁には、また人と人が触れあえる「常態」が戻ってくることを強く,強く願っています。