エンダーのゲーム
と言うわけで「エンダーのゲーム」観てきました。
オースン・スコット・カードによるSF小説を原作とした映画化
昔原作を読んだような気がしたけど別のと勘違いしていたようで読んでいなかったらしい(--;
地球は異星人からの2度の侵攻を受けたが、これを何とか退けた。
3度目の侵略に備えるため、軍を指揮できる人材を育成するためのバトルスクールという士官養成学校のようなものを作る。
主人公のアンドリュー・エンダー・ウィッギンはこの時代では公に認められていなかった第3子(サード)。優秀だが欠ける部分のあった二人の兄、姉の要素を受け継ぎ類い稀な才能を持って生まれてきた。
小さい頃から非凡な才能を示すエンダーが次第にバトルスクールで頭角を現してくる・・・・
と言ったのが大まかな流れ。所々でエンダーはiPadのようなタブレット端末で「ゲーム」をする。ゲームには様々なものが有り、本人の心理状態を反映したようなものもある。
エンダーの厨二病的な成長物語は面白いと言えば面白いけど、「全体的に緊張感に欠ける」のが気になった。
一つはストーリーの殆どはバトルスクールでの話だった、ということと、登場人物が異常に少ない。ハリソン・フォード演じるハイラム大佐はバトルスクールから最終決戦に至るまで常にエンダーの側に居るし、その他の士官や仲間もエンダーのスピード昇進に付き合って常に同行してくるので、どんどんエンダーの立場が大きくなっていっても、あまり代わり映えがしない。
そして、もう一つ決定的なのは人類に対する危機感が希薄なこと。
この手の異星人侵略物だと、地球の大部分が侵略され人類の生存権が次々と脅かされ、もうあと一息で人類滅亡!とかって言うパターンが多いけど、エンダーのゲームの場合は、既に過去2回の異星人侵略を退けており、むしろ人口爆発の抑制のために、出生数が制限されている状況。
しかも、異星人の母星を突き止め最後の侵攻で徹底的に相手を滅亡まで追い込む、と言うのが大きな目的、つまり異星人の侵略を防ぐためにこちらが相手を侵略してしまおう、と言うストーリーなので、何というかカタルシスに欠ける。
あと、エンダーの才能が結局「相手を感応する能力」なのか「人心を掌握する人望」なのか戦術的か戦略的かもよく分からない。
つまり、ハリソン・フォードは何をそんなにエンダーに期待しているのかがよく見えてこない、って言うのがモヤモヤする部分だった。
映像的には色々楽しめたけど、シナリオは少しスッキリしなかったかな。
- 作者: オースン・スコットカード,Orson Scott Card,田中一江
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/02
- メディア: 文庫
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