「アサルトガールズ」
押井守の監督・脚本映画「アサルトガールズ」
公式サイト
そろそろ、関東での公開が終わりそうだったので終わる前に見てきた。
友人と一緒に見に行ったんですが・・・・
これが、まぁひどかった
押井守と言えば、アニメ業界ではすでに重鎮中の重鎮。名作も数多く手がけている人ではありますが、押井氏が手がける実写映画は結構微妙なのが多い。
元々、押井の映画には分かりづらくて冗長な、古典文献からの引用文章や小難しい蘊蓄を延々と話すシーンが多い。
それがまぁ氏独特のテイストを作り上げているともいえます。
アニメ映画であれば徹底的に練り込まれたカット割りや、驚異的に描き込まれた映像美などが冗長な台詞との相乗効果で、ミステリアスで奥深い世界観を作り上げているんですが、実写映画を手がけると何故かそういった緻密さが影を潜めて稚拙な映像になってしまうことが多い。
今回のアサルトガールズ、
アバンタイトルのモノローグで、今回の物語がかつての押井映画「Avalon」を元にしたいわばスピンオフであることが語られる。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
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「Avalon」は押井の実写映画の中で数少ないまともな映画だったので、ちょっと期待して観てみたのですが・・・
結局、美少女に戦闘服着させてドンパチやらせたかっただけ
じゃねぇか?と思ってしまいます。
まず言いたいのが
- 上映時間が70分程度と比較的短いにもかかわらず、ストーリーの密度が薄すぎ
途中3〜40分ほどほとんど台詞のない、単に歩き回っているだけのシーンが続くのですが、これがどう考えても無駄にしか思えない。ストーリーのエッセンスだけをまとめたら、おそらく10分程度で終わる代物です。中身のないストーリーを無理矢理希釈して引き延ばしている感じ。
- 所々に入るモチーフ的ガジェットに意味があるようで全くない
シーンの所々にさも意味があるかのように「カタツムリ」と「二宮金次郎像」(ネタバレのため隠し)が出てくるんですが、結局何も意味をなしていない(様にみえる)。
もしかしたら監督は奥深い意味づけをしているのかもしれないがおそらく大多数の観客にはそれが伝わっていない。
- 女優3人の使い方がひどい
一応看板となっている、黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子の3人が全く生かされていない。
元々台詞が少ない映画なのだが、ろくな台詞をしゃべらせていないし、序盤に使う英語の発音がひどい。
菊地凛子に至っては最後まで「カァ!」という意味不明な叫びしかない。
あと、「女の子に銃火器を持たせる」ことがメインコンセプトの割には、全然サマになっていない。黒木メイサなんか完全にへっぴり腰で全然銃を持ち運べていない。
トゥームレイダーのアンジェリーナ=ジョリーの銃捌きの足元にも及んでいない。
- 所々入るコメディ的要素がことごとくスベッてる
もし、監督が本気で笑いをとってこれならマジで勘弁して欲しい。
とにかく内容が薄い上に大したストーリーもメッセージ性も無いので正直観わるまでが苦痛でした。
終わった後の第一の感想が
「こいつら絶対まじめに映画作って無ぇ」
はっきり言って評価すべきところがない映画ですね。
押井守ってどうして実写撮るとこうなっちゃうんでしょう?