Re:RXJ Station

RX-JUNのブログです。ガジェット系ニュース、テクノ系音楽、カメラ、バイクの話題、アニメ、英語、本や音楽のレビューなどをだらだらと駄弁ります

3Dテレビのある未来

「3D元年」覇を競うパナソニックとソニー

International CES絡みなのか、先日から相次いでテレビのニュースなどでも


「今年は3Dテレビ元年!」


って言うパナの社長の弁が何度も放送されているのを見ましたけど、どうなんですかねぇ。

3Dテレビはテクノロジとしては面白いし、ベンダからすれば



「ただの薄型テレビはコモディティ化してしまい低価格化が激しくどこも疲弊しているので、新たな付加価値創出で製品単価を上げよう」



と言う意図はよく分かるんですが、利用モデルが見えてこない。



確かに映画「AVATER」のスマッシュヒットなんかで、


「これからの映画は3Dだね」


って言う風潮があるのは理解できるし、PS3なんかはファームウェアのアップデートでべてのPS3を3D対応できるって息巻いているのもまぁ分かる。



価値があるのは分かるけど、それって本当に一般家庭に必要な価値なのかな?ってこと。



AV機器の分野で言えば古くからホームシアターシステムとしてAVアンプやらスピーカーやらを揃えると言うのがあって、これがあれば音響を立体的に楽しめる、というのがある。



結構昔からある分野の割には
「俺の自宅ではホームシアターだよ」
って言う人は、よほどの映画好きやAV機器マニアでもない限りそう多くは無いはず。



かつて、DVDが出た頃や、地デジが始まった頃などにAV機器メーカーがこぞってホームシアターシステムを売り込んだことがあるが、大したムーブメントになってない。



おそらく多くの人にとってホームシアター音響が、必要な価値として認められなかったからだろう。



今回の3Dテレビも何となく似たようなものを感じる。



多分Blu-rayの映画や、PS3のゲームは今後3Dで楽しめる様になる時代が来るんだろう、でもそれってどれだけの人がそこに価値を感じるのかな?一部のAVマニア、ゲームオタクだけじゃない?
って気もする。


id:wa-renさんの日記によれば

日本のマーケットにおいてはテレビコンテンツが地上波放送に依存しすぎているところがある。Blu-rayコンテンツを購入してもネット配信で購入しても、同等クオリティの映像が地上波で流れてくる。そういう意味では、受像機の3D化は地上波放送の進歩ペースを超えて映像表現を進化させ、地上波から離れやすくする、言い換えれば地上波では得られない+αの価値をわかりやすくユーザに示すための1つのパーツにはなることは間違いない。

と、ある。確かに地上波放送コンテンツの影響度が強いのが日本のマーケットの特徴といえると思うが、じゃあ日本国内に、

「わざわざ3D見るためにBlu-rayと3D対応テレビ買おう」

というモチベーションを持った購買層がどれだけいるのか?というと疑問符だ。

今の地デジでさえ、後1年半でアナログテレビ放送終了といっているこの時期ですらようやく普及率は60%を超えた程度だ。


HD化に関して地上波放送のHD化という強力なコンテンツの後押しがあってすらこの程度の浸透度しかない。
AV機器業界が思っているほど、日本の消費者はAV機器に興味を持っていない、という事実は理解した方がいい。



それこそ、



「朝起きてテレビをつけたらめざましテレビや朝ズバ!が3Dで放送されている」



って言う位にまでなれば、さすがに浸透するかもしれないけど、きっと、一部のマニアだけが飛びつくものになって結局大したブームにならないんじゃないかな。




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