Re:RXJ Station

RX-JUNのブログです。ガジェット系ニュース、テクノ系音楽、カメラ、バイクの話題、アニメ、英語、本や音楽のレビューなどをだらだらと駄弁ります

ALL ABOUT マイコンBASICマガジン II

本当はイベント当日にアップロードしたかったけど、語りたいことが多すぎて時間がかかってしまいました。

 

1/14、以前から楽しみにしていたイベントに行ってきました。

 

basicmagazine.wixsite.com

 

かつて発行されていた、電波新聞社のパソコン雑誌、マイコンBASICマガジン

www.dempa.co.jp

 

休刊してもう10年以上経ちますが、当時のスタッフや関係者が一堂に会してベーマガ時代の思い出を語るイベントでした。

 私も中学〜高校時代はほぼ毎月のように買っていた雑誌だけに思い入れが大きいです。

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オープニングムービーはなんとCG作家で知られるロマのフ比嘉さん渾身のムービー。

ロマのフ比嘉さん自身、ベーマガ好きだったそうでその縁で今回のムービー作成に至ったとか。

 

司会はベーマガ読者、そして80年代のパソコン少年にとってはパソコンサンデーなどでお馴染みだった山下章さん。

 

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イベントは4部構成でした

 

第一部は「ベーマガ編集部 再結集!」

編集長の大橋氏、「編さん」こと及川氏、「影さん」こと増田氏・・・・

そしてベーマガ読者にとって最大のファンタジーだったアイドル「つぐ美ちゃん」・・・

 

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ん??つぐ美ちゃんが男???

 

と思ったら、これは冗談でした。ちゃんと本物のつぐ美ちゃん登場。

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ちゃんと、オチが付いて良かった。

 

当時、ライターは別としてベーマガの編集は殆どこの4人で行っていたそうで、最盛期の忙しさは相当な物だったとか。

特に毎日のように段ボール単位で送られてくる読者の投稿プログラムの動作チェックが大変だったとか。

 

そして編集長の大橋さんが独断専行で思いつきで新しい事をどんどんやり始めるので編集部は大変だったそうで。

ただ、大橋さんとしては読者の投稿プログラムコーナーを大事にしていたようで、当時「発売している機種のプログラムは出来るだけ載せる」ことにしてたそうで、新機種が出る度に、動作チェック用のマシンが編集部に増えていったそうな。

 

確かに当時のベーマガの投稿プログラムコーナーってかなりマイナー機種も載っていたよなぁ、と思ったけどそういうことだったのか。

 

第二部は「スタープログラマー VS ○○プログラマー

当時、投稿プログラムコーナーを賑わせた伝説のプログラマーが集結。

森巧尚さん、そしてBug太郎こと谷裕紀彦さん、そしてファミベのよっしんさん。

編集部で裏方として活躍された断空我氏と、コミックコーナーでおなじみのくりひろし氏。

このセッションでは、スタープログラマー達が当時の作品を持ち寄って実機で実行させる筈だったけど、ここでトラブル発生。Bug太郎先生の持ち込んだFDが旨く動かず「Disk IO Error」となって会場がざわめく。

というものの会場にはPC8001やベーシックマスターJr.、X1やファミリーベーシックなど80年代のコンピュータの実機が集められていました。殆どの機種が30年以上前の実機なので、イベントの最中大小様々なトラブルは起きてました。

 

結局当初持ち込んだ作品は残念ながら動かせず。ただ、別作品として持ち込んでいたオールアセンブラの「N-TYPE2」は見事に動作。PC-8801で某「○-TYPE」っぽいシューティングゲームが見事に動いていました。

 

Bug太郎氏はその抜群のプログラムセンスで、ハイクオリティのBASICゲームで有名となりましたがその後プロとして活躍されました。

 


DRAGON 'N' SPIRIT for PC-8801 (1987)

 

このセッションの最後に森さんが残してくれたコメントが印象的だった。

 

小学生にマリオが作れるよと言っても(マリオ)オデッセイが良い、大学生にゲームが作れるようと言ってもパズドラでイイっすと言われるが、ちょっと作ってごらんと教えるとみんなハマりだす。ベーマガ世代も今の世代もそこは変わってない。 

 与えられた物で楽しむだけで無く、自分で作る喜びはいつの時代も変わらない。その事を教えてくれたベーマガには今も感謝している、とのこと。

思わず話を聞きながら感動してしまった。

 

第三部は「DEMPAサウンドチームクロストーク

このセッションを期待していた人も多かったようです。(私もその一人)

メンバーはYK-2こと後のゲームミュージック界の大御所、古代祐三氏、音楽コーナーの「GORRY先生より一言」でお馴染みのGORRYこと後藤浩昭氏、はちみつ川野こと川野俊充氏、粟田英樹氏、荒木潤氏。

古代氏も今でこそゲームミュージック界を代表すると言っても良いほどの大御所ですが、元を辿ればベーマガのミュージックコーナーで才能を発揮したのが始まりなのは知ってる人は知ってる有名な話。

そして、川野氏、粟田氏、荒木氏は3人とも同じ中学の同級生で中学時代にベーマガ編集部に入り浸っていたと言うから驚き。

当時のミュージックプログラム投稿コーナーやDEMPAの数々の移植ゲーでのサウンドチームの裏話などを聴けました。

そして、サプライズでなんと古代祐三氏が「はじめてファルコム在籍時代のイースソーサリアンについて語る」コーナー!!!!

 

古代祐三氏は一時期日本ファルコムに在籍し、イースイース2、ソーサリアンなどの数々の名サウンドトラックを残していたが、その後ファルコムから独立しフリーとなってから、ファルコム時代を振り返った発言をすることは一切無かった。

 

が、今回ちゃんとファルコム側の許可を貰って、古代氏本人がファルコム在籍時代のことを語る、と言う事で恐らく超絶貴重な体験。

 

古代氏自らが「イース/イース2」「ソーサリアン」からそれぞれ好きな曲を3曲ずつ披露する・・・・・と言う予定だったがここでトラブル発生。

楽曲データが入ったFDを会場設置のPC-8801mk II FRに入れたのだが、モニタに画面が表示されない!!

ところが、古代氏は「大丈夫、何とかなります」と画面を見ずにキーボードを操作して再生ドライバを操作。次々と音楽データをならしていくが、中々目的のデータを見つけられない!!

 

って事で今まで全く蔵出しされたことの無い、イースソーサリアンのボツ曲(一部CDに収録された未使用曲だけでなく一切外部メディアに記録されたことの無いボツ曲含む)が大量に流されるおいしすぎる展開に!!

 

そんなトラブルの中で紹介されたのはイース側では

FEENA(イース オープニング)


Ys1 - Feena (PC-x801)

 

First step towards wars(イース 草原のテーマ)


Ys1 - First Step Towards Wars (PC-x801)

 

Ice ridge of noltia(イースII ノルティアの氷壁)


Music from Ys II - Ice Ridge of Noltia

 

なるほど、これは納得の3曲。ただイースIIのOP「To make the end of battle」は入らなかったのね。


イース2 オープニング / YS2 Opening PC-88

 

ソーサリアンからは以下の3曲


Music from Sorcerian - The Dark Wizard − Blue Dragon

 


ソーサリアン 呪われたオアシス 砂漠・砂の城 【FM音源サンプリング】

 


ソーサリアン (X1 & SB-2ver.) エンディング2曲 Falcom SORCERIAN 日本ファルコム

 

川野氏らは今は音楽からは離れてそれぞれ活躍されているそうですが、

ベーマガの時代に若い時に様々な挑戦が出来たからこそ、今色々な経験が生きている」

 

古代氏は

「幼少期は音楽教育がスパルタで音楽は嫌いだったが、音楽と向き合い今でも音楽の世界で仕事が出来ているのは当時ベーマガと出会ったおかげ」

 

とそれぞれの視点でベーマガの功績を語ってくれました。

 

第四部 スーパーソフトプレイバックコーナー

プログラム投稿以外にもパソコンゲームアーケードゲームなどのゲーム記事を沢山扱ったのもベーマガが草分け、後にファミコン雑誌などで当たり前になったスタイルがベーマガで確立されていた。

 

ゼビウス1000万点への解法」で有名な大越康裕氏、見城こうじ氏、手塚一郎氏や後に小説家として活躍するTOMMYことベニー松山氏など・・・

 

懐かしい面々が。

曰く大越さんや見城さんが当時のロケテストであまりにもスーパープレイをしてしまったが為に難易度が上がったゲームがいくつかあるとかw

 

その他色々な裏話も聞けましたが色々内容的にヤバすぎて書けないことばかり過ぎるww

 

たっぷり6時間あったイベントの時間も気付けば押しまくりであっと言う間に終了。

 

最後に司会の山下章氏から驚きのサプライズが

ベーマガでかつて連載されていたストII大会の顛末を描いたドキュメンタリー

「バトル・オブ・ストリートファイターII」途中まで描かれたあげく、92年頃を最後に休載したまま、掲載誌のベーマガ自体が廃刊になってしまったため実質絶筆状態となっていた。

 

ベーマガ読者の間でもバトルオブストIIの連載再開は最早ネタになっていたけど・・・

 

なんと、遂に執筆完了!!そして会場で即発売の驚きの発表。

 

どうやら後で色々情報を見ると、関係者ですら殆ど知らされていなかったとっておきのサプライズだったようで。

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いやー、驚きでした。

 

 

そして最後の最後に大橋編集長が

「私はもう70歳を超えたけど、今でも新しい事を色々やってみたいと思っている。」

 

 

本当にベーマガに携わった色々な方々が、ベーマガから色々な力を貰い、物を作る楽しみを覚え、その後も活躍し、そして今も新しい事に挑戦し続けている。

 

そんな人たちを目の当たりにして、自分ももっと挑戦していこう、新しい事をやってみよう、そんな勇気をもらえるとてもとても素晴らしいイベントでした。

 

 

近年稀に見る素晴らしいイベントで、あまりにも感動して泣き出してしまいそうでした。

 

 

また、次回があれば是非参加したいと思います。

ベーマガ読者で良かった!