ドラゴンタトゥーの女
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ 美穂,岩澤 雅利
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/09/08
- メディア: ペーパーバック
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ 美穂,岩澤 雅利
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/09/08
- メディア: ペーパーバック
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と言うわけで、映画の「ドラゴンタトゥーの女」観てきました。
実は事前に殆ど情報を仕入れずに。そういえば、以前似たような映画のタイトルみたっけなぁ、程度の知識で観に行きました。
どうやら「ミレニアム」と言うスウェーデンの作家による小説をベースにした映画で、過去に一度ヨーロッパで映画化されているらしいです。その映画を今回、D=フィンチャーを監督に迎えてハリウッドでリメイクしたんだとか。
舞台となっているのは主にスウェーデン。
左翼系経済雑誌の設立者のひとりであるダニエル=クレイグ演じるミカエル=ヴルムクヴィストが、ある事件の報道で訴えられ敗訴する。失意のミカエルはかつてはスウェーデンを代表する企業グループの会長だったヘンリック・ヴァンゲルから依頼を受ける。
彼の評伝執筆を行うと言う名目でおよそ40年前に姿を消したハリエットの失踪調査をして欲しい、というものだった。
その最中に、天才的な情報収集力を持ちながら素行に問題がある謎の少女リスペット(ルーニー・マーラー)と出会い、ミカエルは彼女と一緒に調査を行う。
かつてはスウェーデンに強い影響力を持っていたヴァンゲル家の複雑な一族の事情からハリエット失踪の意外な事実が浮かび上がってくる・・・
と言ったいわゆるサスペンス映画。とにかく登場人物が多く人間関係も複雑で誰がなにやら把握するだけでも結構忙しい印象。
ちゃんと考えながら観ないとあっという間にストーリーに着いていけなくなるので結構疲れます。
ただ、それを考慮しても、ダニエル=クレイグ演じるミカエルと、ルーニー=マーラーのリスペットの存在感が凄すぎて、それだけでも観る価値あり。
とにかくダニエル=クレイグが男性から見てもセクシーでかっこいい。007のボンド役で一躍スターになったダニエル=クレイグですが、今作ではアクションは殆ど無くどちらかと言えば落ち着いた演技。タバコや酒を飲むシーンが多いがそれらがいちいちかっこいい。
また、今作の表題にもなっているドラゴンのタトゥーを入れているリスペットも独特の存在感があり、とにかく無愛想でひょろっとした一目見ただけでギョッとする印象がある。
実は、物語の序盤〜中盤まではミカエルとリスペットは殆ど接点が無くそれぞれ別々にストーリーが進行する。話の主軸はあくまでもミカエルがヴァンゲル家の調査をすると言うシーンがメインなので、途中までは明らかにミカエルが主役扱い。
ところがミカエルとリスペットと合流した辺りから急にリスペットが存在感を増し、逆にミカエルがどんどんダメ男になっていく。
そして最後は完全にリスペットの話になる。
気がつくと主役が入れ替わっていると言う割と変わった構成になっている。
リスペットは完全にダークヒロイン。そして登場人物の誰もが、暗い過去や秘密を抱えており、それらが陰に陽にストーリーに絡んでくる。この辺もDフィンチャー監督が得意とするところ。
話も難しいし、アクションは派手では無いが、とにかく「かっこいい」と思わせる。
いわゆる派手派手な勧善懲悪のハリウッド映画を期待すると全く違うテイストなので少し意外感があるかもしれない。
映画好きな人なら結構気に入る映画かと。ただ一般ウケはしにくいかなぁ・・・と。