JAL崩壊

JAL崩壊 (文春新書)

今年、会社更生法が適用されたJAL。
かつては就職したい会社でも常に上位に位置していた、あこがれの企業の一つだったナショナルフラッグが地に墜ち今や風前の灯火。

そんな中で現役のCA(客室乗務員)やSU(チーフパーサー)がJALの内情を暴露すると言う形で記述されたのがこの本。

てっきり、

「JALの酷い内情を暴露した上で、何故堕落したのか？原因を追及し、今後の再生、再建に必要な提言をしていく」

ような内容を期待して買ってみたんだが、

読んでみたら全然違ったorz....

はっきり言ってよくある、会社の給湯室でOLが

「○○の部署の××さんが、△△でねぇ・・・、ひどいのよ〜」
「それで？それで？」

みたいな茶飲み話をしているのと全然変わらない内容で、単に社内の悪口を書いているだけ。建設的な提言は何一つ無い。

• JASとの合併で不採算路線を抱えたのが経営悪化の直接の要因
• 古くから多数の労働組合が存在し、それぞれの利害が対立し労使間、労労間闘争が絶えない

と言った部分はおそらく事実なんだろうけど、帯に「この本に書かれていることは全て事実です」とか煽っている割には、噂話や想像をあたかも事実であるかのごとく決めつけているので、全体に信憑性に欠ける内容になっている。

全体的にはCAがCAP(機長、操縦士)の厚遇ぶり、傲慢ぶりを徹底的に叩きまくっているが、逆に地上職や経営陣に対する事は殆ど書かれていない。

給与や待遇面で良い思いをしている機長や管理職連中が憎くて仕方がない、と言う意識がありありと見えて恨み、嫉み、妬みをネチネチ書きまくっただけで、何の提言も改善策も示していない。

こんなレベルの低い文章が書籍として発行され、それなりにヒットしているのが本当に謎。
何故今時こんな新書が出るんでしょうか？買うんじゃなかった。酷い本です。