Re:RXJ Station

RX-JUNのブログです。ガジェット系ニュース、テクノ系音楽、カメラ、バイクの話題、アニメ、英語、本や音楽のレビューなどをだらだらと駄弁ります

劇場版 虐殺器官 (GENOCIDAL ORGAN)

project-itoh.com

 

若くして亡くなった作家、伊藤計劃氏の小説を映像化するプロジェクト、「Project Itoh」。

「ハーモニー」「屍者の帝国」「虐殺器官」の3作がアニメ映画化された。

 

プロジェクト自体は知っていたが、「ハーモニー」「屍者の帝国」は上映期間中、忙しくて結局観に行けなかった。

 

今回の虐殺器官は幸い観に行く暇が出来たので何とか観られました。

と言うのも、本当は三作は同時期に連続公開するはずだったけど、「虐殺器官」の製作をしていたプロダクション(マングローブ)が倒産してしまったため、一時的に製作が中断してしまった。

が、何とか製作を引き継ぐためのプロダクションを新たに設立し、何とか製作が続行されたと言う経緯がある。

 

mantan-web.jp

 

原作も読んでいたので、期待していました。

 

rxjun.hatenablog.com

 

正直言って想像以上の出来でした。

9.11のテロ後の先進国は強力なセキュリティ管理のもと、安全と平和が保たれていたが、一方で途上国では内戦が頻発していた。

この内戦と虐殺の背後に、必ず関わっているというジョン・ポール。

 

ラヴィス・シェパード属する米国情報軍はジョン・ポールを捕らえ、抹殺するために彼と接触していたチェコ人の女性であるルツィアに接触する。

 

ジョン・ポールは人の心に虐殺と狂気を植え付ける「虐殺の文法」を会得していた。

彼が世界中に虐殺を撒き散らす真の目的は・・・

 

 一通り観終わって思ったのは、「面白い映画」と言うよりは「頭を鈍器で殴られるような色々なことに気付かされる映画」だと言うこと。

 

9.11のテロで多くの犠牲が発生し、世界中の誰もがテロの恐怖を目の当たりにした現在。そして、昨年のイギリスのEU離脱を決めた国民投票(ブレグジット)と、米国第一主義を掲げ保護主義に傾倒する米国のトランプ大統領就任。

作品の世界観と今現在の世界状況が怖いくらいに符合する。テロの脅威から遠ざけるため排外的、排他的な施策を公然と実施し、より閉鎖した社会へと閉じこもっていく現在。

「見たい物だけを見、見たくない物は無視する」

この作品内で訴えている懸念が今まさに現実となろうとしている。

 

警鐘を鳴らした、本人である作者の伊藤計劃氏が既にこの世に無く、今のこの現状を見ることが出来ないのが皮肉でならない。

 

今、この2017年だからこそこの作品を世に出す意味はあったのでは無いかと思う。

 

 

因みに監督は村瀬修功、作画陣には恩田尚之などの実力派。

映像的にも見応え充分です。内容的には結構エグく、タイトル通り残虐な映像も多いので万人にお勧め出来るとは言えませんが、個人的には出来の良い映画だと思いました。

独断と偏見で選ぶダンスミュージック ICEBLINK/Ken ishii


Icebink ~Ken Ishii~

 

日本が世界に誇るテクノDJの一人、ケン・イシイ

彼がはじめて本格的に映画のサウンドトラックを担当したのが、織田裕二主演の映画「ホワイトアウト」。

 

ホワイトアウト<初回限定2枚組> [DVD]

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ホワイトアウト (新潮文庫)

ホワイトアウト (新潮文庫)

 

雪に覆われた舞台を想像させるような透明感溢れ疾走感の高いサウンドトラックも話題になった。

ICEBLINKはテーマソングとして使われ、その後のケン・イシイのライブでも度々演奏されている。

 

ICEBLINK

ICEBLINK

 
FLATSPIN

FLATSPIN

 

 

 

独断と偏見で選ぶダンスミュージック Intelstat / deadmau5


Deadmau5 - Intelstat (1080p) || HD

 

EDM界の寵児、deadmau5の曲の一つIntelstat。

聴いてもらえば分かるけどある曲が大胆にサンプリングされている。

 

それは映画「攻殻機動隊 Ghost In the Shell」のメインテーマである「謡」

 


M01 Chant I - Making of Cyborg - Kenji Kawai (Ghost in the Shell Soundtrack)

 

川井憲次による民謡歌手による大和言葉による幻想的な歌詞と極限まで楽器を絞ったシンプルな楽曲。

 

それを大胆にダンスミュージックにミックスしたdeadmau5も大胆というか何というか・・・

 

 

 

Get Scraped

Get Scraped

 

 

 

 

独断と偏見で選ぶ秀逸ゲームミュージック Ideal「理想」/ 斑鳩


Ikaruga Chapter-01 ideal OST ( HD )

 

独特の世界観やゲームシステムを用いたゲームを作ることで有名な「トレジャー」が手がけた傑作シューティングゲーム斑鳩

 

敵も味方も「白」と「黒」の属性が有り属性を巧みに切り替えることで進んでいく他には無い全く斬新なシステムが特徴だった。

 

映像も当時としては最高級のグラフィックを駆使し、ステージ途中に漢字を多用した日本語でメッセージが入ると言う和風テイストもあった。

 

音楽も一度聴いたら忘れられない。

 

 

コトブキヤ 斑鳩 飛鉄塊 銀鶏 [白] 1/144スケール プラスチックキット

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斑鳩 IKARUGA (Dreamcast)

斑鳩 IKARUGA (Dreamcast)

 
斑鳩 IKARUGA (GameCube)

斑鳩 IKARUGA (GameCube)

 

 

(書評) ゼンデギ/グレッグ・イーガン

 

ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)

ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)

 

 

以前からファンのグレッグ・イーガンの作品。

マーティンとナシムという二人の主人公の物語が絡み合うストーリー。

 

マーティンはオーストラリア出身の元ジャーナリストでイランの民主化運動を取材していたがそこで起きた体験が元でイランに移住することになる。

一方のナシムはイラン出身だが迫害され米国に亡命。動物や人間の精神や記憶を研究するエンジニアとして成功するが祖国のイランへの思いは募っていた。

 

マーティンは妻を亡くし幼い息子のジャヴィードと二人暮らしをするが、やがて自分が病に冒されていることを知る。自分が亡くなった後、息子を一人残していく事に強い憂慮を抱いていた。

 

ナシムは民主化された祖国へ戻りオンラインゲームを運営する「ゼンデギ」の運営/経営に関わるようになる。

ゼンデギはプレイヤーはHMDのような物を被ってプレイする今風に言えばVRのオンラインゲームであり、プロキシと呼ばれるNPCと関わり合いながら様々なシナリオをプレイする。

プロキシは通常プログラムで決められた応答しか出来なかったが、やがて現実の人間の反応を真似てより人間に近い応答を出来るようになっていく。

 

マーティンはそんなテクノロジに興味を持ち、ナシムに自分のコピーを作れないかと打診する。自分が亡くなった後も息子のジャヴィードを見守る存在としていわば「バーチャル・マーティン」を残したい、と言う事。

 

マーティンは息子にそのことを隠したまま、親子で「ゼンデギ」を楽しむことになるが・・・

 

と言うのが大まかなストーリー。

イーガン作品と言えば、「人間の記憶や精神を完全に電子化し物理的な肉体から解放」みたいな遠未来をテーマが有名だが、この作品は舞台がほぼ現代なのでそれらと比べるとテクノロジーレベルはかなり現実に近い。

この作品が書かれたのは2009年だが、オンラインゲームやVRと言った要素も2017年の現在では身近に感じる。

その為、まだまだ人間の精神を完全に電子化するレベルではなく

「人の反応を学習してその人の行動パターンを習得するAIもどき」

しか実現できない。

 

そこに至るまでの技術的な描写等はさすがイーガンと言えるけど・・・

 

全般的に長めの小説の割に中々ストーリーが進まない。

そしてストーリーの多くを占める「ゼンデギ」内でのゲームシナリオが古代中近東の寓話や神話などを元にした物なので正直日本人には全然馴染みがなくて分かりにくい。

 

実はこの書籍をKindle版で買ったのは2015年頃だけど、読み終わったのは今日。

どうにもこうにもストーリーが面白くなくて中々読み進められなかった。

 

 

マーティンの息子を思う気持ちと、テクノロジーの理想と現実の狭間に打ちのめされるナシムという二本立てのストーリーが特徴だったけど、何かどちらもスッキリとは終わらなかったのでなんとも言えず後味が悪い。

 

イーガン作品好きではあるけどちょっと自分には合わなかったようです。

仕事は楽しいかね? / デイル・ドーテン

 

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

 

出張先から戻るために入った空港で、大雪のため、一晩空港で滞在することになってしまったビジネスマンがとあることから高名な実業家の老人と出会う。

彼は仕事や私生活の鬱憤をその老人に打ち明けてしまうが、老人の返す含蓄のある言葉やアドバイスに次第に引き込まれていく。

 

ちょっとしたショートストーリー仕立て形式のある種のビジネス書。

成功のためのハウツーでは無く、心構えと言うか常に新しい事にチャレンジしていくことの正しさを説いたような内容。

そう言う意味では具体性のある内容では無く、価値観と言うか意識の改革を促すような内容と理解した。

 

内容自体はとても為になるのだが、男性が悩みを打ち明ける対談形式で進んでいくので、種々様々なアドバイスが散発的に出てくるのでちょっと論理的なまとまりが無いので、呼んだ後に頭の中で整理がしにくい感じ。

 

 

独断と偏見で選ぶ秀逸ゲームミュージック Hisotory1 / Hector87


Hector 87 BGM

 

シューティングゲームには本当に名曲が多い。

ヘクター'87はファミコン世代のハドソンがリリースしたシューティングゲーム

タイトル通り1987年の作品で、ハドソン絶頂期の所謂「キャラバン大会」でも使用されたもの。

 

若干他のハドソンシューティングとはゲーム性が異なりイマイチ人気は出なかったようだけど音楽は秀逸。

 

コンポーザーはハドソン作品ではお馴染みの国本剛章氏

後のスーパースターソルジャーではこのアレンジ版がある。


PCエンジンからスーパースターソルジャーのヘクター'87のBGM

 

 

 

スズキが250cc ロードスポーツバイクGSX-250R発表

news.bikebros.co.jp

 

カワサキのNinja250

ヤマハのYZF-R25

ホンダのCBR-250R→CBR-250RR

と各社250ccクラスのフルカウルがここ数年で充実してきたけど、スズキだけ乗り遅れ感があったけどようやくGSX250Rを発表

f:id:rxjun:20170114103408j:plain

うーん、何というかやっぱりコレジャナイ感が・・・

この辺がスズキっぽいと言うか。

 

他社品と比べると低中速トルクと燃費重視と言う事でスポーツモデルと言うよりはフルカウルツアラーって感じなのかな。

 

各社の250ccクラスの比較・・・と言っても私は全然詳しくないのでこの辺を参考にした方が良いかも。

 

kojintekibikematome.blog.jp

ローグ・ワン

ローグ・ワン観てきました。

starwars.disney.co.jp

 

スターウォーズの正史に対する外伝的な本作。時間軸的にはEP3とEP4の間、と言うより、EP4の直前。

 

物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前。
銀河全体を脅かす帝国軍の究極の兵器<デス・スター>。無法者たちによる反乱軍の極秘チーム<ロ―グ・ワン>に加わった女戦士ジン・アーソは、様々な葛藤を抱えながら不可能なミッションに立ち向かう。
その運命のカギは、天才科学者であり、何年も行方不明になっている彼女の父に隠されていた・・・。

 

映画としては楽しめましたが、正直ツッコミどころが一杯すぎ・・・

ネタバレ有るので観てない人はスキップしてください。

 

 

 

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7つの習慣/スティーブン・R・コーヴィー

 

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

  • 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
  • 出版社/メーカー: キングベアー出版
  • 発売日: 2013/08/30
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  • この商品を含むブログ (9件) を見る
 

 

最近時間無くてあまり本読んでいなかったけど久々にビジネス書読んだ。

と言うかある意味定番中の定番、「7つの習慣」。ずっと昔に社会人になって最初の上司に「読んだ方が良い」と言われていた本。

読もう読もうとずっと思っていてこんなに時間が経ってしまった。

 

仕事に限らず、人生を送る上で行うべき7つの習慣をまとめたもの。7つの習慣とは

  1. 主体的である
  2. 終わりを思い描くことから始める
  3. 最優先事項を優先する
  4. Win-Winを考える
  5. まず理解に徹し、そして理解される
  6. シナジーを創り出す
  7. 刀を研ぐ

の7つ。1~3までは「私的成功」を実現するための習慣。

「主体的である」とは外部からの刺激にただ反応するのではなく、自分の意志、良心、自覚、想像に基づいて主体的に選択する必要がある、ということ。

「終わりを思い描くことから始める」とは、自分の果たすべき役割(ミッション・ステートメント)を明確にし、自分の行動規範とすること。

「最優先事項を優先する」とは、「緊急では無いが重要なこと」を計画をたてて実行することで、如何なる事態にも対応できるようにすること。

 

4~6までは「公的成功」を実現するための習慣。

Win-Winを考える」は文字通り他と交渉する時に一方的に自己の都合を押しつける「Win-Lose」ではなく、お互いが利益を得られる「Win-Win」又は「Win-Win or No Deal」を求める。お互いの信用を築くためのプロセス。

「まず理解に徹し、そして理解される」は、相手の意見を聞く際に頭ごなしに批判するのでは無く共感し、相手の立場を思いやり信用を得る。

シナジーを創り出す」はそれぞれの立場、意見、力を結集して全く新しい価値を創り出すこと。

 

そして最後の「刀を研ぐ」はこれら全てを実現するために、心身共に鍛える事を怠らない。

 

これらの習慣は決して一つ一つが難しいことでは無いが、継続的に続けていかないと効果を発揮しない。それぞれの習慣について具体的な事例を挙げて説明しているので効果がとても分かりやすい。

 

個人的な驚きとしては、「欧米人は個人主義が当たり前」だと思い込んでいた私のステレオタイプと全く違う、理性と共感に基づいた実に論理的な事を述べている点だった。

 

世界的に有名な定番のビジネス書と言われている本書ですが、もしこれが本当に世界中のビジネスマンに読まれているのだとしたら、何故こうも利己的なビジネスやトラブルが世界中で絶えないのか不思議でならない。

 

ある意味グローバリズム、ソーシャルビジネスの根底にあるのがこれらの週刊に根付く思想なんだと思う。

 

ただ、皮肉にも2016年はイギリスのEU離脱やアメリカ第一主義のトランプ氏の大統領選勝利などある意味反グローバリズムの潮流が動き始めた時期で有り、そのような時期にこの本を読むことが出来たのはある意味象徴的だった。

 

この「7つの習慣」に書いてあることは確かに素晴らしいし、凄く納得性がある。ただ、現実はそう理想的には行かないと言う事も踏まえつつ実践できることからやっていきたいと思う。